温泉水を飲む(飲泉) 温飲泉(いんせん)とは、温泉を飲むという行為、またはそのことによって病気の回復などの 作用を得ようとすることを指します。 古く湯治においては、温泉に入るだけではなく、飲泉を行うことによってさらに回復効果が高まる という考えがありました。 日本に比べるとヨーロッパの温泉地では、この温泉のお湯を飲むことを目的とした人が多く 温泉=飲泉 とまで言われる程になっています。 なにしろ温泉水には多種多様なミネラルが、それもイオン化して入っており、別名「飲む野菜」と まで言われる程で、その飲泉の人気は日本では考えられないくらいのものです。 温泉大国日本でも、昔から飲泉は広くおこなわれてきました。 飲泉の対象となる泉質を挙げると、単純泉、重曹泉、食塩泉、硫酸塩泉(りゅうさんえんせん)、 硫黄泉、酸性泉、放射能泉と、そのほとんどで飲泉が可能となっています。 飲泉の一番の特徴は、その泉質に関係なく、湯治などで温泉を飲む事を続けていくと、胃腸が整って くることが知られています。 現在でも、露天風呂の注ぎ口などにコップや柄杓などを設置して利用者に飲ませたり、別途蛇口を 設置して、飲泉設備として整備している例が散見されます。 とはいっても、強酸性や強食塩泉であったり、温泉成分として水銀等を含むなど、泉質によっては飲用に 適さないものもあり、一概には温泉はどれでもを、誰でも好きに飲んでいいと言うものではありません。 また、温泉といっても循環風呂の注ぎ口のお湯は衛生上問題があるので飲むべきではありませんし たとえ掛け流しでも、保健所に飲泉許可を取得していないことにより、飲泉が禁じられている場合も あるので飲泉にの際にはチェックが必要となります。 温泉分析表別表には、飲泉に関する禁忌がのっているので、飲泉の際の可否判断の参考になります。 飲泉の最高の飲み方は、源泉湧出口から湧き出したものをその場で飲むのが一番です。 ただし、この方法は、それこそ温泉源泉を持つところまでその都度汲みにいかなくてはならないので、 普段の私達の生活の中においては、まず不可能です。 温泉は地下深くから湧き上がってきて、地上の空気と触れると、様々な化学変化をおこします。 よく乳白色のお湯や色のついた温泉がありますが、それらのほとんどは最初から色が付いていた訳では なくて、地上に出てきた際に空気に触れることによって、酸化や化学変化がおこり、色の変色がおこります。 つまり、温泉とは、空気と触れることによって酸化(老化)が始まる、非常にデリケートなものでもあるのです。 温泉の効果は、湧出後、時間とともに減少していくと考えられています。 これを温泉の老化現象と言って、現地で飲む以外に、普通に汲んで持ち帰ったのでは、その効果は半減して しまいます。 ただし、飲用にする為に温泉水を販売しているような工場では、地下から、一度も空気に触れさせることなく ボトルに充填することを可能としており、その製造と保存の仕方によっては、温泉を湧出後も成分を変化させる ことなく飲むことも出来るようになっています。 ![]() |